沖縄の人たちの日常や心のふれあいを描いた作品

中江裕司監督といえば沖縄が舞台になっている映画を手掛けることで知られていますが、ベルリンで行われた国際映画祭にも正式出品された作品として有名なのがホテル・ハイビスカスです。
この作品は沖縄出身の漫画家でもある仲宗根みいこさんの漫画が原作になっています。
漫画の中では沖縄に伝わる独特な風習や悲惨な戦争などの歴史などが描かれていますが、映画では主人公を中心に明るいコメディタッチな内容になっています。

あらすじと登場人物

沖縄にあるとても小さなホテル・ハイビスカスにはお客様が泊まれる部屋が一つしかありません。
一泊4千円なのですが、今だけ3千円でしかも沖縄料理付きという破格の値段でサービスを提供しています。
そんなホテルを営むのは三線とビリヤードを得意としている父ちゃんと、バーでも働いているキレイな母ちゃん、くわえタバコをしているおばあ、黒人とハーフのケンジにいにい、白人とハーフのサチコねえねえ、腕白でおてんばな小学3年生の美恵子という顔ぶれです。

美恵子は友達と一緒に森の精霊キジムナーを探しに出かけます。
その時に出会った行き倒れの青年・能登島をホテルに運びこみ、たった一つしかない部屋の泊り客になったのです。

美恵子が友達と一緒にキジムナーを探すために米軍基地のフェンスに開いていた穴から入り込み、まやー食いおばあに遭遇します。
まやー食いおばあは死んだネコの皮をはいで食べていると友達に教えてもらったものの、好奇心からおばあについていってしまいます。
実はとても優しいおばあで、お菓子をもらったり唄を聞かせてもらったりと楽しい時間を過ごしました。

その帰り道で米兵に見つかってしまいますが、美恵子は兵士に見えるけど実はキジムナーが変身している姿なのではないかと疑います。
しかし実際にはたまたま軍の任務で来日していたケンジにいにいのお父さんだったのです。
ケンジに会わせようとする美恵子達ですが、プロボクサーになりたいと練習に打ち込むケンジはなかなか会いに来ようとしません。
しかし、トレーニングを兼ねてランニングをしていたケンジと、お父さんはほんの一瞬だけですがフェンス越しに並んで走ることができたというエピソードが描かれています。

この後、サチコと母ちゃんはアメリカに住んでいるサチコの父親に会いにいくためアメリカに行くことになります。
大好きな母ちゃんとサチコがいない日々を寂しく過ごす美恵子でしたが、ある時自分のマブイ(魂)を落とすという大ピンチに陥ります。
美恵子のマブイを必死で探していると、小さい頃に死んでしまった父ちゃんの妹の多恵子が現れて美恵子を救ってくれるのです。

そして、最後には母ちゃん達が戻ってきて、また楽しく家族で暮らす日々が始まるのでした。