ぜんざいといえば、温かい小豆を砂糖で煮た汁にお餅や栗の実を入れた料理を普通は思いうかべることでしょう。
そのため寒い冬に主に出されるおやつという印象が強く、夏の暑い盛りの時期に「ぜんざいはどうですか?」と聞かれたらついからかわれているのかと思ってしまうくらいです。
ですが沖縄を訪れたときにはそんな質問をあちこちで聞かれるようになります。
それもそのはずで沖縄における「ぜんざい」という料理は決して冬の寒さをしのぐためのものではなく、夏に食べる清涼感あふれる食べ物であるからです。

沖縄料理でのぜんざいは、小豆を砂糖で煮たものの上にたっぷりとかき氷を乗せた料理です。
ふつうかき氷は先に氷を器に入れてそこにシロップをかけますが、沖縄風ぜんざいではその順序の逆になっています。
器の下に敷かれる小豆は金時豆と黒糖を混ぜて煮たもので、しばらくおいて冷ましたあとで器に盛り付け、白玉をいくつか追加したあとで氷を上にのせていきます。
沖縄の夏にはこのぜんざいが定番のおやつとなっており、一般家庭でも氷菓子を取り扱うお店でも比較的メジャーなメニューとして登場してきます。

もともと沖縄においてはぜんざいは夏に食べるものでしたが、現在のようにかき氷を上に乗せるようになったのは比較的最近のことです。
それまでは金時豆と黒糖を煮た甘い汁に冷やした白玉を入れて食べる、本州地域におけるぜんざいをただ冷やしたものという料理になっていました。
より昔には金時豆ではなく緑豆で作られることもあったそうで、当時緑豆は解熱作用のある薬膳としてもよく使われる食材であったから、夏の暑さを和らげてくれる料理として開発されたのが誕生の秘密です。
それが氷を上に追加したことにより、沖縄独自の味として進化をしていった様子です。

通常のかき氷と違って小豆の煮汁を使うことでボリューム感があり、白玉粉をたくさん入れれば一杯でもかなりお腹いっぱいにすることができます。
金時豆はカルシウムやビタミン、食物繊維がたっぷりと含まれているので便秘の予防をする効果があります。
さらに白砂糖ではなく黒糖を使うことにより生活習慣病になりにくく、シロップのような着色料や香料もないので健康にもよいおやつと言えます。
最初は「ぜんざい」といって冷たい氷菓子を食べることに抵抗感があるかもしれませんが、沖縄の夏を満喫するにはぜひ一度食べてみてもらいたいです。
なお地元のお店によっては上にかける氷をクラッシュアイスではなく、雪だるまのようにかためて独自の形で出してくれるところもあるそうなので、そうした個性的なぜんざいも探してみたいですね。