日本の他の地域にはない非常に珍しい食材が数多く存在しますが、
それは植物だけでなく動物や魚介類においても同じです。
沖縄は四方を海に囲まれた島国ですが、そこでは数多くの珍しい魚がとれます。
また内部の豊富な自然植物を餌とした、平飼いの食用動物も数多く畜産されています。
沖縄でとれる珍しい魚の代表としては、ぐるくん(たかさご)、あかみーばい(こくはんはた)、
いしみーばい(こんもんはた)、おーばちゃー(ながぶだいの雄)などがあります。

中でも注目はおーばーちゃで、
こちらはまるで熱帯魚のような輝きをした青い色をしていることが特徴です。
他にも魚の色艶が非常に独特なので、初めて沖縄の魚市場に入った人などは、
食材ではなくオブジェが売られているかのように感じてしまうことでしょう。

動物においては、最も有名なのはうわー(琉球豚)と呼ばれる黒い毛並みの大柄な豚です。
他にもひーじゃーと呼ばれる島やぎもおり、肉食として庶民料理に使われます。
しかし、沖縄は台風が年間に数度も訪れるような自然災害の多い地域でもあるので、
そうした動物食材を育成する環境に決して恵まれているわけではありません。
豚肉は日常的に食べる食材というよりも、祭りや正月など
特別なときに一頭を屠ってみんなで食べるという高級食材として扱われてきました。

そのため、特別な日のためにと数ヶ月も前からその豚を丁寧に育て太らせておき、
いざ食べるときには体の部位を余すところ無く全て料理として使うという習慣となっていたのです。
独特の料理として、中身汁(モツ汁)、ミミガー、豚尾といったものがよく聞かれていますが、
このような一頭の豚の内臓や耳、足、皮など全ての部分にいたるまで食材として
利用するという文化は、日本広しといえども他の地域ではほとんどみられないものです。

ちなみに、豚1頭を屠ったとき、のこった部分は塩漬け(すーちきー)として
貯蔵されるようになっていました。
塩漬けにされた豚は必要に応じて塩抜きをしてから食べられることになっており、
これは生で食べるときとはまた違った味わいがあります。
また豚の油は「あんだたりーん」といって
独特の油壺に入れられ調味料としても使用されてきました。
この豚油は暑い沖縄の夏の時期の貴重な栄養補給のために庶民の間で利用をされてきたものです。
食材を全て大切に扱うという精神は、
食べる人にとっての健康面にも非常に合理的ですぐれた効果を生み出しています。