郷土料理の特徴としては、汁物や煮物、炒めもの、揚げ物が多い反面、
焼きものや蒸しものによる料理が少ないということです。
これは世界の他の亜熱帯性海洋気候の地域においては反対に
焼きものや蒸しものの料理が多く見られていることと比べて大変に珍しいことと言えます。

また汁物料理が数多く作られてきた理由としては、
食材そのものがそれほど豊富にとれるわけではないということもあり、
具だくさんの汁を作ることで手軽に多くの栄養分を
体に取り入れることができことを狙ったことが挙げられます。
ちなみにこれは日本の他の地域においても、
東北地方など食材が豊富ではない地域でも同じような特徴が見られています。

ただ、沖縄における汁物は東北地域などの鍋料理とはまた少し違っており、
同じ味噌汁を作るにしても濃厚な豚だしを入れて長時間煮込み、
コクをしっかり出してつくることが大きな特徴となっています。
葉物野菜を使った味噌汁でも、豚油を落として食べる調理法が一般的です。
出汁のとりかたも独特で、まず祭りなどイベントのときの料理を作る場合には、
豚肉を大鍋で茹でてたっぷりと豚だしをとってそこに野菜などを入れていきます。

普段の生活において使われる出汁は主にかつお節が使われており、
そのときには昆布が使われることはほとんど全くありません。
昆布そのものは料理に使われることがあり、
そのときには野菜と同じように汁物の具材として用いられます。

沖縄においても日本の他の地域同様、味噌は重要な家庭向け調味料とされています。
味噌を使った代表的な料理に「あんだんすー」と呼ばれるものがあり、
別名「油味噌」とも言われています。
これは味噌と豚肉を一緒にして炒めた料理で、固めておいたものにお湯をかけて
即席の味噌汁として飲んだり、おにぎりの中に入れて食べたりするときに使われていました。
東南アジアの他の地域においては、料理に欠かせない調味料に香辛料がありますが、
沖縄においてはそのような繊細な調味料の文化はほとんどありません。
沖縄唯一の香辛料と言われているのが「ひはつ」というコショウの一種で、
ヒハツモドキという蔓性植物を原料にして作ります。

醤油や砂糖といった調味料は、沖縄では一部の都市では使われていましたが、
農村地域では贅沢品として扱われており、
あまり日常的な料理に用いられることはなかったようです。
他には「あまざき」というお酒のもろみを蒸溜する時に出る素材を使って作る
酢も代表的な調味料となっています。