日本全体で起きているのと同じような少子高齢化が沖縄においても進行しています。
高齢化は特に地方の過疎地域において急激に進んでいることが報告されていますが、
それは沖縄という島国においても同じで、同じ沖縄県の中でも
世帯数の少ない過疎地域になるほど平均年齢の高い高齢者地域が増えてきています。
ですがこちらにおける高齢者は他の地域の高齢者に比べて非常に活動的であり、
健康寿命が長いことが特徴となっています。

健康寿命とは、最近厚生労働省の政策的にも重要視されている概念で、
単に生命が継続しているということのみでなく、自立した日常生活を送ることが
できているかどうかによってその人の寿命を判断するという考え方です。
寿命そのものは他の地域に比べてランクダウンをしつつありますが、
この健康寿命に関してはまだまだ他を寄せ付けないほどの強みを発揮しているようです。

高齢者の健康寿命が長くなっている理由は、明るく前向きな県民性に加え、
老齢だからといって自宅に引きこもったり活動を控えたりすることのない、
アクティブな精神によるものと言われています。
また伝統的に「イチャリバチョーデー(出会えば人は皆兄弟)」や
「ユイマール(相互に助けあって共同作業を行う伝統的習慣)」という思想が伝えられており、
長く沖縄で暮らす人にとっては社会とのつながりを保つことができやすい環境が整えられています。
この社会とのつながりの維持というのは健康寿命を伸ばすために非常に重要な要素となっており、
孤独感をあまり感じることのない生活を送ることが、
老齢期においても心の健康を保つことに大変有効なものとなるのです。

この沖縄的な地域共同体の組織は高齢化を迎えている現代においては
モデルケースとして研究をされるほど注目を集めており、自然な形で社会の構成員として
自分と位置づけることができるという非常に優れたシステムであると言われます。
社会とつながりを感じることができることにより、
高齢者の多くは子供と離れて単身や夫婦だけで生活をしながら、
ガーデニングやスポーツなどに積極的に取り組む人が多くなっているといいます。

ただ、60歳以上の人たちにとっては自然なこの沖縄独自の共同体形態も、
若い世代に行くほど意識が希薄になってきているという問題点があります。
今後は沖縄だけでなく他の地域においても、この「イチャリバチョーデー」や
「ユイマール」の思想を広く広げていくことが大切になることでしょう。