2001年度の上半期に放送されたNHKの朝の連続ドラマ「ちゅらさん」は、
沖縄に生まれ育った女性たちの県民性に大きなスポットをあてたものでした。
ドラマは平均視聴率22%、最高で29%を超えるという大人気なものとなり、
朝の連続テレビ小説のシリーズにおいても歴史に残る名作となっています。
ちゅらさんにおける重要な登場人物となっていたのが、
主人公である若い女性と、その祖母にあたる「おばあ」でした。

このドラマが人気をはくしたことで、一気に沖縄独特の方言が有名になりましたが
中でも最も浸透したと思われるのが「なんくるないさ」という言葉でしょう。
「なんくるないさ」とは、直訳すると「なんとかなるさ」という意味で、
フランス語における「c’est la vie(セラヴィ)」や
スペイン語における「Que sera sera(ケ・セラ・セラ)」と同じように、
一見どうにもならなそうな事態であっても
まあなんとかなるだろうという楽観的な気持ちを示したものです。

この「なんくるないさ」という言葉に代表されるように、
基本的に沖縄県の県民性は総じて楽観的なものとなっているようです。
沖縄旅行などに初めて行った人の感想などを聞いてみると、
沖縄では非常に待ち時間が長くあまり時間に細かいことは言われないことに驚くと言います。
例えば待ち合わせをするにしても、時間通りに集まることはほとんどなく
みんな適当にぞろぞろと集まってくるような感じです。
時間に厳しい世界に生きている都内のビジネスマンなどにとっては、
反対に歯がゆく思えてしまうこともあるのではないかと思われますが、
よくも悪くもこの「適当」な県民性こそが
沖縄県という場所を示すものであるということができます。

「ちゅらさん」が人気のドラマとなった理由は、
キャストや脚本、演出などが優れていたことももちろんありますが、
それ以上にこの沖縄的な思想が世の中に広く受け入れられたということではないかと思われます。
ドラマの中において、主人公はかなり何度もピンチな場面に遭遇するものの、
そのたびに沖縄に住む祖母のことや「なんくるないさ」という言葉を思い出しては
持ち前の明るさと前向きさでそれらを乗り越えていきます。

沖縄県民の健康寿命の長さは、
この「なんくるないさ」的な思想が大きな影響を与えていたのではないかとも言われています。
ストレスを過度にためずに時に適当に生きてみるということも、
忙しい現代に暮らす私達にとっては必要なことかもしれません。