日本の国土と大陸との中間地点に位置するという地政学的な影響もあり、
沖縄はあらゆる文化が独自に育った地域です。
その代表的なものに年中行事として行われるお祭りがあり、
日本の他の地域とは全く違った時期や目的を祝うイベントが今も数多く開かれています。
年中行事としては、まず農民がその年の豊作を願ったり収穫を祝ったりするものがあります。
他にも祖先崇拝をする目的や、本土や中国から伝えられた宗教行事を目的としたものがあり、
一見同じように見えて実は全く目的が違うものなど、独自に発展したお祭りが目立ちます。
このような年中行事のことを「うゆみ(=ういみ、折目)」や「しちび(節日)」と呼び、
全国的にみてもそれら年中行事を丁寧に行うようにしていることが特徴となっています。

沖縄における独自のお祭りとして有名なものに
「清明祭(シーミー)」や「火の神の御願(ヒヌカンウガン)」などがあります。
これらは沖縄独自のものであり、他の地域には行われない珍しい行事となっています。
清明祭(シーミー)やお盆のお祭りはどちらかと言えば中国から伝わったときの形式が
強く残っており、日本の伝統的なお祭りとはやや違った趣をしています。
清明祭とは3月の清明の節に行われるもので、
同姓の家族が一同にあつまりごちそうやお菓子を食べて祖先を敬うものです。

このような年中行事は、沖縄に暮らす人の思想に大きな影響を与えています。
地域共同体の基本的な思想である「イチャリバチョーデー(一度会ったら皆兄弟)」や
「ユイマール(お互い助けあっていく共同体思想)」は
清明祭などの祖先を大切にする年中行事がもとになっており、
ご先祖様を敬いお互いを助け合うという行事を毎年きちんと行うことが、
それら他人を思いやる思想に深く繋がっていっているのです。

沖縄において祖先崇拝が非常に重要視されていることは、
観光などで訪れた時にお墓の遺跡や民間の墓地などを見ればすぐにわかります。
お墓の形式は沖縄独自の形態をとっていますが、
いずれもとてもきちんと管理がされておりきれいに保たれていることが特徴的です。

また亡くなったあとものちの子孫たちに大切に扱われるという安心感が
「テーゲー(物事にこだわらずおおらかに生きる)」という思想にも結びついていきます。
逆説的なようで面白いのですが、このようなしっかりとした死生観があることが、
むしろ沖縄の人たちにとって生きることをしっかりと楽しむという思想に
関係を及ぼしているかのようです。