今までの日本映画とは異なる雰囲気の作品

風音は、芥川賞作家としても知られる目取真俊さんが執筆した風音、内海などの短編が原作の映画です。
目取真さん自身が書き下ろした脚本で、独創的な内容になっている点が特徴です。
沖縄県出身でもある目取真さんは、沖縄が素晴らしい豊かな風土でありながらも過去には悲惨な出来事が起こり傷つきながらも立ち上がってきた島の人々が描かれています。
監督はこれまでに様々な映画賞を得ている東陽一さんです。

この作品はモントリオールで行われた世界映画祭でワールドコンペティションにも招待されており、イノベーション賞を受賞した実績があります。
また、アジアフォーカス福岡映画祭にも正式招待されていることからも国内外で高い評価を受ける素晴らしい作品であることがわかります。

参考:SIGLO『風音~The Crying Wind』

あらすじと登場人物について

強い海からの風が吹くとなぜか不思議な音が聞こえてくるとされる沖縄にある「風音」の島が舞台の物語です。

この島の浜辺には、切り立った崖の中腹あたりに風葬場が存在しており、頭蓋骨があります。
実は、風音の正体は頭蓋骨を貫通している銃痕に風が通り抜けた時に音が鳴っているのだそうです。
頭蓋骨は島を災いから守ってくれる神様の泣き御頭として島民から崇められていました。

ある時、島民の子供達が泣き御頭にいたずらをしてしまい、風音が止んでしまうことになります。
その時から穏やかに過ごしていた島の日常が少しずつ波立つようになり、島の様子に変化が現れてきます。

現在、島で生活をしている人たちや島の外からやって来た人たち、島で亡くなってしまった人など様々な記憶が重なりあって風音の本当の秘密がわかるのです。

登場人物の裏話

実はこの作品に登場する役者さんは、本物の役者さんだけでなく本当の素人さん、しかも地元の方が参加しているという特徴があります。
例えば主役である当真清吉役を演じたのは上間宗男さんという方で、当時は現役の本部町具志堅区長をしていた方です。
60歳で定年を迎えるまではバス会社に勤務しており、役者とは無縁の方でした。

しかし、監督に見出されたことでいきなり主役に大抜擢されるという男性版のシンデレラストーリー的な展開を感じさせてくれる驚きの作品なのです。
他にも地元の子供達などもオーディションに参加して出演者として選ばれています。

もちろんベテラン俳優陣も参加しており、沖縄で俳優活動をしている方や、東京などで活躍しているプロの役者さんも出演しています。
様々な人達が撮影に参加しており、沖縄の素晴らしい環境の中でのびのびと撮影しながら良い作品が完成したことがわかります。
特に地元の子供達が参加して撮影を行ったシーンでは、カメラに緊張しながらも素晴らしい演技を披露してくれたことでも話題になりました。