プロジェクトの一つとして制作

「涙そうそう」といえば、おそらくほとんどの人が夏川りみの大ヒット曲を思い浮かべることでしょう。

シングル曲としての「涙そうそう」は、リリースは2001年でしたが最初は沖縄県内限定の大ヒット曲で全国的にはほとんど知られていませんでした。

それがじわじわとロングヒットを続けているうちに次第に全国に広がっていき、2002年ころからようやく他の地域でもよく耳にするようになりそこから約3年をかけて大ヒット曲になっていきます。

今もカラオケなどでの定番曲になっており、曲が大好きで何度も聴いた思い出のある人も少なくないでしょう。

映画としてはそれから遅れること2006年に制作がされており、TBSテレビの開局50周年を記念して企画をされました。

主演は妻夫木聡で、長澤まさみ演じる妹との関係の中で波瀾万丈の人生を送りながらも強く生きていく姿を描いています。

「涙そうそう」のあらすじ

沖縄を舞台にしたヒューマンドラマは全体的に落着いた作品が多く、自然の中で生活していく中で自分の本心に気づいたり周囲の人の暖かさを知るといったものが目立ちます。

この「涙そうそう」も同じく落着いてみることができる作品となっており、妻夫木聡と長澤まさみという癒し系の俳優・女優を起用したことで安心して家族で見れる作品です。

舞台となっているのは沖縄本島で、そこでいつか自分のお店を持ちたいと夢見る兄を妻夫木聡が、大学生となって本島に引っ越してきた妹(長澤まさみ)と再会することから物語が始まります。

二人は兄妹となっていますが実はお互いに両親と早くに別れており、血の繋がらない義理の家族です。

しかしお互いに本当の家族以上に大切に思っており、特に兄がなんとしても妹の希望を守りたいという気持ちを強く持っていることが伝わってきます。

兄はなんとか自分のお店を開くための資金を準備しますが、それを詐欺で失ってしまい借金を背負うことにもなってしまいます。

そのため無理をして働き続けてしまい、最終的には過労から倒れてしまい亡くなってしまいます。

そしてその葬儀が終わった後に妹の元に兄からのプレゼントが届き、開けてみたら成人式の晴れ着だったという内容です。

途中で監督が交代した作品

実はこの映画は当初監督だった福澤克雄監督が製作途中で体調不良となり、急遽土井裕泰監督にバトンタッチしたという作品でもあります。

途中で監督が変わったことで何らかの違和感が出るかと心配もありましたが、出来上がってみるととても自然な流れとなっており、ラストシーンは何度見ても泣けるという高い評価がつけられています。

もともと曲の「涙そうそう」が作詞担当の森山良子さんが亡くなった兄を思って書いたものであったこともあり、兄妹という家族の絆を深く感じさせてくれる良作です。