竹富島を舞台にした映画

「ニライカナイからの手紙」は、2010年に上映された沖縄の離島竹富島を舞台にした映画です。

主演は今をときめく蒼井優さんで、突然自分の目の前から消えた母親の存在を追って成長していく様子が描かれています。

母親役には実力派女優の南果歩さんが起用されており、謎めいたキャラクターとして最後まで見る人を惹きつけていきます。

あらすじをざっと紹介すると、主人公の風希(蒼井優)は6歳の時に突然母親に置き去りにされるという過去を持っています。

それ以来竹富島でおじいと一緒に生活をしているのですが、出て行ったはずの母親からは毎年誕生日にきちんと手紙が届きます。

他に家族のいない風希はその手紙を心の支えに成長をしていくのですが、14歳の誕生日に届いた手紙に「20歳になったら真実を話す」という内容のことが綴られています。

それで20歳になるまでカメラマンとして生活できるよう努力を重ねていくのですが、いざ20歳になった誕生日に指定された場所に行ってみるとそこにいたのは母親ではなくて…というお話です。

沖縄における「ニライカナイ」の意味

「ニライカナイ」という言葉は沖縄独自のもので「理想郷」という意味です。

ですがただユートピアのようななんでもある幸せな世界という意味とは少し異なっており、神界として生命の源になる場所という意味になっています。

沖縄の言葉には魂や現世ではない精神世界のことを示すものが数多くあるのですが、このニライカナイこそがそうした人の魂の行き着く最終地点という深い意味を持つものです。

「ニライカナイ」という言葉には哲学的、宗教的な意味も深く刻まれているのでなかなか簡単に説明をすることはできないのですが、この映画では人の魂が最終的に辿り着いた高尚な精神の場所という意味があるように思います。

実は映画では母親はとっくに亡くなっており、それでも娘のことを思って死んでからも手紙が届くようにと頼むのですが、それは亡くなってからもずっと我が子の成長を願う親としての強い心がしたことというふうに描かれます。

最後に本当のことがわかってから主人公はふるさとの竹富島に戻ってきますが、その時に見た風景がそれまでと少し異なっているように感じるのがこの作品の素晴らしいところだと言えます。